収穫は爽快!簡単でたくさん採れるじゃがいもの栽培方法をご紹介!
1年を通して、じゃがいもほど世界各国で食されている食材はないかもしれません。
シチューやカレー、肉じゃがなど日本人にとっても馴染み深い野菜です。
手間もあまりかからず育てやすいため、家庭菜園でも多く育てられている野菜です。
今回ご紹介するポイントをしっかり押さえて、美味しいじゃがいもを育てていきましょう。
ルーツは意外!?じゃがいもの特徴と注意点
今や米や麦、トウモロコシに並ぶ「世界4大作物」の1つですが
原産は南米アンデスの高地だと言われています。
それが新大陸の発見によってヨーロッパに渡り世界中に広まりました。
また、土の中で育ち、寒さや鳥害に強いことなどから
世界中に爆発的に広まっていきました。
見た目では想像し難いですが、実はナス科の野菜で、トマトやナス、トウガラシなどの仲間です。
じゃがいもにはビタミンCやビタミンB1・ビタミンB2・食物繊維などが豊富に含まれています。特にじゃがいものビタミンCは熱に非常に強く、壊れにくいのも特徴です。成人病の予防や美容に良いと言われていて、老若男女に愛される健康野菜です。
じゃがいも栽培に関するポイントは以下の2点です。
1.水やりがほとんど不要。手間なく育てられる。
2.収穫時の芋掘りは子どもと一緒に楽しめる。
ただ、じゃがいもには特有の注意点もあります。
1.じゃがいもはウイルス病があります。必ず検査に合格した種イモを使用すること。
2.イモが地表に出てしまうと緑色に変色しソラニンという毒素が出てきます。
3.連作障害あり。3年は間隔を置き、ナス科の連作も避けること。
健康な種イモを選び、適切な土寄せを行っていけばしっかり育ちます。
ここからお伝えしていく具体的なポイントを守って
美味しいじゃがいもをたくさん採れるようにしていきましょう。
じゃがいも栽培を始める前に
1.じゃがいもの発芽適正気温は18℃~20℃。生育の適正気温は15℃~24℃です。
2.土壌は中性土壌(pH5.5~6.0)が目安。酸性土壌(pH5.0未満)もアルカリ土壌(pH7.0以上)も嫌います。
※pHの調べ方は酸度計や試験紙を使用する方法や、生えている草花を調べる方法などがあります。
3.暑さに弱く、気温が30℃を超えるとイモが形成されません。
じゃがいもを上手に育てる土作り
露地栽培の場合、種を植え付ける2週間前までに苦土石灰をまいておきます。
元肥は植え付ける際に施すので前もって施す必要はありません。
充分に根を広げて養分を吸収できるように25cm~30cmほど深く耕しましょう。
過密にならないように、株間30cm畝幅50cm高さ15cm~20cmの畝を確保しておきます。
無病の種イモを用意すること!
品種は「男爵薯」や「メークイン」などがありますが、
品種による育てやすさはそれほど変わらないので
お好みの品種を選んで構いません。
春植えのものと秋植えのものがありますが
初心者は栽培がより簡単な春植えで始めることをオススメします。
以下の説明に関しても、春植えを前提に話を進めていきます。
ただし、じゃがいもはウイルス病があり、感染した種イモを植えてしまうと
感染が広がり壊滅状態になる可能性があります。
販売されている種イモは国の厳正な基準を通った検定イモです。
栽培するときには国の検査を通った専用の種イモを使用しましょう。
種イモは少し早めに購入し、日に当てて芽出しをしておくと
スムーズに生育させることができます。
弱い光が当たる部屋の隅などに並べて、黒っぽい芽が出てきたら芽出しの完了です。
春植えの種イモは、芽の数が均等になるように切断します。
目安は1片40g~60gで、小さい種イモは切らずにそのまま使います。
切り分けた後に2,3日乾燥させておくと発芽が良くなります。
じゃがいもの植え付けは間隔と向きに注意
深さ10cm程度の植え溝を掘ったら、切断面を下にして植え付けていきます。
株間30cm程度で、狭すぎると隣り合う根が干渉して生育が遅れたり、
根が絡まると収穫時に地中にイモが残ってしまう恐れがあります。
種イモを植え付けたら、種イモと種イモの間に元肥を施します。
堆肥30g/㎡、化成肥料30g/㎡を施したら5cm~7cmほど土を被せて
手のひらで押さえてしっかりと密着させます。
水やりは不要です。自然に降る雨だけで充分育ちます。
なお、雨上がりで湿った状態で植え付けると種イモが腐ってしまうことがあるので
土が乾いてから植え付けるようにしましょう。
また、霜よけのために敷き藁や新聞紙を施すと良いです。
たくさん収穫するために欠かせない芽かき
じゃがいもから出てきた芽が5cmほど伸びてきたら、硬くて良い芽だけを残して
残りは引き抜いていきます。通常は2,3本残しますが、小ぶりなイモをたくさん収穫したいのであれば多めに残しても構いません。
芽かきの際は、種イモごと引き抜いてしまわないように
株元の土をしっかり押さえて引き抜くようにしましょう。
暖かくなるとテントウムシダマシなど、害虫が出始めるので防除します。
害虫は見つけたら捕殺が基本ですが、直接捕まえるのに抵抗がある方は
天然成分を使用した殺虫剤などを散布してください。
薬剤を使う前の防除法としては、葉裏や株元の落ち葉の下など、
細かく株を毎日観察し、卵や群生する幼虫を見つけたらすぐに捕殺するようにしましょう。
追肥と増し土が美味しく育てるポイント!
芽かきと同時期に1回目の追肥と増し土を行います。
化成肥料を1株あたり30g程度、株周りに施したら、用土と混ぜ合わせます。
その後、新しい用土を10cmほど足して、土寄せします。
増し土を行うことで、大きなイモを育てるスペースを確保できます。
苗に蕾がついた頃に2回目の追肥・増し土を行います。
化成肥料は1回目と同程度、同じ要領で混ぜ合わせます。
さらに新しい用土を10cmほど足して、土寄せをします。
イモが地表に出てしまうと緑化して品質が落ちてしまうため、
土寄せはじゃがいも栽培において非常に重要な作業になります。
花が咲き、葉や茎が黄ばんできたら収穫時期!
春植えなら6月から7月頃、花が咲くようになります。
小さいながらも綺麗な花を咲かせますが、イモを太らせたいのであれば
咲いた花を見つけたら摘み取っておきましょう。
葉や茎が黄ばんで枯れてきたら収穫時期です。
ちなみに枯れる前に収穫すると皮が薄い新じゃがが採れます。
天気がよく、土が乾いている日に収穫します。
イモを傷つけないように株元から少し離れたところにスコップをさし、
茎を持ちながら土を掘り上げていきます。
皮が剥がれてしまうと傷みやすくなるので丁寧に掘り起こしましょう。
掘り上げた後も、土の中にイモが残っていることがあるので
採り忘れないようにしましょう。
収穫したじゃがいもは風に当てて、充分に乾かしてから
日の当たらない場所で保存するようにします。
使う分だけ洗うようにして、
芽が出たら使う分だけその都度取り除くようにしましょう。
また、収穫したじゃがいもをそのまま種イモとして
秋植えをするのは育ちにくく良くないのでしないようにしましょう。
家庭料理には欠かせないじゃがいも!
じゃがいもは栄養も調理の仕方も豊富にあります。
また、育てやすいだけではなく、収穫は子どもが参加できるので
家族で育てる野菜としてもピッタリです。
ご家庭で楽しく栽培して、自分で育てた野菜を味わう喜びに触れてみてください。