日本料理の要!暑さにも寒さにも強いネギの栽培方法を解説!

ネギは薬味や汁物、鍋料理など、日本料理に無くてはならない野菜です。

栽培方法も簡単で、家庭菜園の中でも気軽に栽培できる野菜の1つなので

今回ご紹介する栽培方法でぜひチャレンジしていただきたいと思います。

 

 

風邪に強いネギの特徴と注意点

 

 

原産地は中国西部と言われており

独特の香りが特徴で、葱坊主と言われる綿菓子のような丸い花を咲かせます。

ミネラルやカロテン、ビタミンB・Cが多く含まれていて

「風邪によく効く」と期待され、昔は「風邪を引いたらネギを首に巻け!」

と言われていたほどです。

 

葉鞘(白い部分)を食べる根深ネギと、葉鞘も葉身(緑の部分)も食べる葉ネギがあり

関西以西では葉ネギの普及が目立ちます。ネギを刻んだ時に目にしみる成分である硫化アリルは消化液の分泌を促進し、便秘改善や整腸作用があると言われています。

 

 料理画像

 

 

ネギを育てるときのメリットは以下です。

1.寒さに強く氷点下でも耐えられる

2.暑さにも強いため、品種を選べば年間通して栽培が可能

3.根には土壌病害を抑える効果のある拮抗菌が共生しているので

  キュウリやトマト、ホウレンソウなど他の野菜と一緒に栽培することで

  病害虫の発生を抑えて生育を助けることができる

4.連作障害が出にくいため、同じ場所での連作が可能

                                       

ネギ単体でも育てやすいだけではなく

他の野菜をより育てやすくする効果もあるので

家庭菜園では非常に人気のある野菜になっています。

 

難点はあまりないのですが、強いて言えば

1.湿気は苦手。通気性の悪い土地や水はけの悪い土地だと育たない

2.雑草があると育てにくくなる

 

以上2点と比較的少ないので

初心者にも簡単に育てられる野菜です。

 

 

 ネギ栽培のポイント

 

 

では、ここから具体的な栽培方法についてお話していきます。

 

まず準備として以下のことを注意しておきましょう。

1.土壌は弱酸性~中性が目安(pH6.0~6.5)

※pHの調べ方は酸度計や試験紙を使用する方法や、生えている草花を調べる方法などがあります。

2.生育気温は15~20℃が適温。日当たりの良いところで育てましょう。

3.種からでも、苗からでも育てることが可能です。

4.多湿と多肥(肥料のあげすぎ)は厳禁です。

 

種から育てる場合の土作り

 

 

種から育てていく場合は、まず苗を育てていく必要があります。

市販の培養土を用いると簡単ですが、自分で作る場合は

種をまく2週間以上前までに、苦土石灰を1㎡あたり100g2握り)ほどまいてよく耕します。1週間前には堆肥を1㎡あたり約3kg、化成肥料を1㎡あたり150g3握り)ほどまいて再度耕します。

 

 

季節に合わせればどの品種も育てやすい!

 

 

品種選択については、大まかには春まきと秋まきがあり

時期を間違えなければどの品種も比較的よく育ちます。

葉ネギの代表的な品種は「九条ネギ」で

育てやすいのは「冬扇」「夏扇」「小夏」「小春」、

味が良いとされる「雷帝下仁田」などがあります。

 

一方、根深ネギは「下仁田ネギ」や「深谷ネギ」が代表的です。

家庭菜園では「ホワイトタイガー」という品種も育てやすく

白い部分も多いため好んで栽培する人も多くいます。

 

 

ネギの種まきと発芽を促すポイント

 

 

葉ネギの場合、種まきは等間隔で溝を作り、種をまいていきます。

・畝幅は60cm程度、高さは10cm程度

・株間(種同士の間隔)は5mm程度

・条間(溝の間隔)は20cm程度を理想とします。

60cmのプランターの場合でも2条まきは出来ます。

 

図解画像

 

種をまいたら3~5mmほど軽く土をかぶせて手でしっかりと押さえます。

たっぷりと水をあげて草丈67cmになるまで育てていきます。

 

低温期の場合は発芽前に稲わらを敷くか

寒冷紗(麻や綿で作られた布)でトンネル状に覆うと良いです。

 

ただし、葉ネギは種をまいてから苗として植え付けするまで60日以上かかるので

育てる株数が少ない場合や初心者の場合は

園芸店などに販売されている苗を購入するか

スーパーや八百屋に販売されているネギの根本を2~3cm切ったものを

苗として使用することもできます。

 

一方、根深ネギの場合は

幅が20cm程度、深さが25cm程度の溝を堀り

溝の側面にたてかけるように6cm間隔で苗を植え付けていきます。

根本に3cmほど土をかぶせたら藁や堆肥を敷いて乾燥を防ぎます。

 

 

溝を掘るのは、その後で数回土寄せを行うからで

あらかじめ溝で育てておくことで土を落とすだけで簡単に土寄せができるからです。

 

葉ネギの水やりは、必要なときだけたっぷりと!

 

発芽するまでは用土を乾燥させないように適度に水をやって

発芽したら本葉が2~3枚になるまでに2cm間隔で間引いていきます。

 

水やりは種からの場合は発芽するまでは毎日たっぷり与えます。

苗からの場合もしっかり根付くまでたっぷり水を与えていきます。

その後は土が乾いた頃にたっぷり与えていき

適度なタイミングで適量を与えていくことがポイントになります。

 

草丈が20cmになったら植え替えの時期です。

根を傷つけないように移植ゴテ(スコップ)で掘り起こして1本ずつにわけます。

 

根深ネギは土寄せがカギ

 

 

根深ネギは段階的な土寄せを行うことでよく育つようになります。

また、土寄せによって太陽の光を少しずつ遮断することで

土に隠れた部分が白くなり、食卓でよく見かけるネギになっていきます。

 

苗を植え付けてから40日~50日後に1回目の土寄せを行います。

その際、1㎡あたり1握り(50g)程度の化成肥料を施します。

かぶせる土の厚さは67cm程度に抑えて、あまり深くならないように注意しましょう。

 

1回目に厚くしすぎてしまうとネギが太く育たなくなります。

苗の植え付けから2回目の土寄せまでは、しっかりと日に当てていきます。

2回目以降で徐々に土を寄せていき軟白させていきます。

 

その3週間後に2回目の土寄せを1回目と同じ要領で行います。

そしてさらに3週間後に同様の土寄せを行い、

収穫30日~40日前に最後の土寄せを行います。最後の土寄せの際の追肥は不要です。

 

 

複数回の収穫が可能!必要な分だけ収穫をすること

 

 

葉ネギは草丈が50cmほどになったら収穫できます。

そのまま引き抜いてもいいですが、株全体を収穫せずに地上部を刈り取れば、

新芽が伸びて再び収穫できるようになります。

葉ネギの収穫時期は植え替えしてから50日~60日ですが、

必要な時に間引き間隔で収穫することができます。

 

根深ネギは白い部分が長くなったらクワやスコップなどで

土を崩して必要分だけ掘り出していきます。

掘った側に傾けて抜き取るのがコツです。

 

ネギは日持ちがしないため、収穫後すぐに食べない場合は

泥付きのまま新聞紙で包むか、冷蔵庫で保管をしておきましょう。

 

 

初めて育てる野菜としても、2つ目の野菜としてもオススメ!

 

 

初めてでも育てやすく、利用する目的に合わせて

様々な収穫を楽しめる野菜です。

ネギ単体だけではなく、他の野菜をより美味しく育てるためにも

ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

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