スタミナ満点!世界で愛されるパワー食材にんにくの栽培方法を紹介

あの、独特の香りと味で世界中で薬味として活用されているにんにく。

実は栽培方法も非常に手軽で楽なので、家庭菜園でも人気の高い野菜です。

初心者でも、簡単に美味しいにんにくを育てることができるので

ぜひチャレンジしてみてください。

 

 

疲労回復効果や殺菌効果を持つにんにくの特徴と注意点

 

 

にんにくの原産は中央アジアと言われていますが

紀元前3200年頃の古代エジプトではすでに栽培・利用されていました。

にんにく独特の強い臭いと効果は、かつての仏教ではネギやニラと同じ五辛として

食べるのを禁じられていたほどでした。

世界に流通しているにんにくの9割が中国産で、国産にんにくは8割が青森県産です。

 

にんにくにはビタミンB6や、ビタミンB1の効果を促すアリシンを多く含んでいて、

疲労回復や成人疾患予防に効果があると言われています。

日本では白皮にんにくが一般的ですが、味が濃厚で特徴的な香りを持つ赤皮にんにくや甘みのある紫皮にんにくなどもあります。

 

病害虫に強く、また収穫後も保存がしやすいことから

家庭菜園向けの野菜としても人気があります。

 

にんにく栽培におけるポイントは以下の2点です。

 

1.病害虫の心配が少なく、手間がかからない

2.長期保存が可能なので、大量に栽培して保存できる

 

そして注意点は以下の2点です。

 

1.暑さに弱い。気温が25度以上になると発芽しなくなります。

2.乾燥と酸性土壌が苦手。肥沃な土作りがカギ

 

管理が楽で、プランターでも育てられる野菜です。

これからお伝えするポイントを押さえて、

美味しいにんにくを育てていきましょう。

 

 

にんにく栽培のポイント

 

 

それでは、ここから具体的な栽培方法についてお話します。

 

1.土壌は中性~弱酸性が目安(pH5.5~6.5が理想)

※pHの調べ方は酸度計や試験紙を使用する方法や、生えている草花を調べる方法などがあります。

 

2.生育の適正気温は10℃~22℃。冷涼な気候を好みます。発芽温度は20℃前後で、25℃以上になると休眠状態になり、発芽しなくなります。

 

3.肥沃で保水性の良い弱酸性の土壌だと良く育ちます。

 

 

にんにく栽培は土作りが最大のポイント!

プランターで育てる場合、にんにく栽培に利用する用土は市販の培養土を使うと楽です。

露地栽培の場合は種球(しゅきゅう)を植える2週間前までに苦土石灰を150gまいてよく耕します。

1週間前には堆肥を2kg/㎡・化成肥料を100g/㎡を施してよく耕したら、

幅40~80cm、高さ10cmの畝を作りましょう。

黒マルチを施すと、雑草の抑制や、保湿・保温効果が期待できます。

 

酸性に傾きすぎたり、窒素成分の多い肥料を使いすぎたり、

水はけが悪く多湿の状態になると、病害虫に強いにんにくでも病気になります。

オレンジ色の斑点ができる「さび病」や、葉脈に緑色の濃淡が表れ葉がねじれる「モザイク病」、ネギアブラムシの発生が多いので、

発生した場合は駆除をするか株を抜き取るなどして対処しましょう。

 

 

品種選択は形がよく大きいものを

 

 

にんにくは種球から育てていきます。8月頃になると園芸店などで販売されるようになります。

病害虫に侵されておらず、形がよく大きい種球を選ぶようにしましょう。暖地系品種は「壱州早生」や「遠州極早生」、北海道や青森などの寒地では「六片」が人気です。葉にんにくやにんにくの芽も収穫したい場合は、市販されている専用の鱗片を使用してもいいですが、にんにくの収穫前(3月~4月頃)の草丈30cm程度になった時点で茎葉を刈り取る方法でも収穫できます。

 

 

にんにくは植え付けのタイミングに注意!

 

 

高温期に植え付けると芽が出ず、遅すぎると大きく育たなくなるので

9月中旬から11月頃の気温25℃を超えなくなるタイミングを狙って植え付けます。

種球を1片ずつバラして、カビや変色のある鱗片は除くようにします。

15cm~20cm間隔で、細く尖った方(芽の方)を上にして5~7cmの深さに植え付けます。

深く植えすぎると発育が遅れてしまうので注意が必要です。

その後用土を被せて手で上から軽く押さえて落ち着かせたら、水をたっぷりと与えましょう。

 

図解

 

発芽するまでは土が乾燥しないようにこまめに水やりをしましょう。

通常なら植え付けから2週間程度で芽が出てきます。

発芽した後も、冬期に晴天が続いた場合は水やりをして、乾燥を防ぐようにします。

3月以降は気温が上昇し土が乾燥しやすくなるので、晴れた日はたっぷりと水を与えましょう。

 

 

芽かきと2回の追肥で立派に育ちます。

 

 

芽の背丈が10cmほどになると芽が次々と分かれていきます。

放置してしまうと種球の発育が悪くなってしまうので

育ちの良いもの1本だけを残し、残りはすべて摘み取っていきます。

 

にんにくの追肥は2回です。

 

1回目は植え付けから1ヶ月後の11月下旬頃で、

化成肥料を30g/㎡ほど株間にまいて株元に土寄せします。

2回目は3月上旬頃。リン酸石灰を50g/㎡と化成肥料を30g/㎡を株間にまき、軽く土と混ぜて株元に土寄せします。

 

また、春先になるとトウ立ちして花芽が育ち始めます。

これも種球の発育を妨げてしまうので摘み取ります。

摘み取った花芽はにんにくの芽として炒め物などに利用できます。

 

春先は雑草が出始めるので、これも小さいうちに抜き取っておきましょう。

 

 

 

葉が枯れ始めたら収穫のタイミング

 

 

にんにくの収穫時期は5月中旬から6月下旬頃です。

晴天が2~3日ほど続いたときに収穫すると保存しやすいです。

梅雨に入ってしまうと球が腐ってしまったり品質が落ちてしまったりするので

収穫時期は逃さないようにしましょう。

 

収穫の目安は下の葉から枯れ上がっていき、株全体の3割から5割が

黄色く枯れ始めた頃です。試し掘りをして、球の尻がほぼ平らになっていたら

収穫を始めていきましょう。

 

株元を持って、球を傷つけないように一気に引き抜きます。

簡単に抜けない場合は、まだ根が育っている可能性があるので

もう少し大きくなるまで様子を見てもいいです。

 

収穫をしたら根を切り取って、茎葉を1/3ほど切り落としたら

風通しが良い日陰で3~5日ほど、尻の部分がカラカラになるまで乾燥させます。

軒下などに吊るしておくと長期保存も可能ですが

気温が下がって休眠状態から覚めると芽が出てきてしまうので

芽が出る前に食べてしまうか、スライスして冷凍保存するといいです。

 

 

にんにくは利用用途が豊富!

いろいろな保存・調理方法を試してみてください!

 

にんにく料理

 

保存方法は吊るしておくのが一般的ですが、醤油漬け、ハチミツ漬け、味噌漬け、オリーブオイル漬け、ニンニク酒などにすると長期保存でき、調理のときにも手軽に使用することができます。また、芽や葉も食べることができ、臭いも強くないので炒め物や煮物などによく使われています。

にんにくを食べるときのネックである臭いは、調理方法や組み合わせ食材を工夫することで

軽減させることもできます。

にんにくは『デザイナーフーズ』と称されるほど、栄養豊富な野菜です。

しっかりと管理をして、様々な料理ににんにくを使用してみてください。

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