汁物や煮物に欠かせない里芋の栽培方法を詳しくご紹介!

豚汁や煮物など、寒い時期には欠かせないのがサトイモです。

家庭菜園では扱いやすく一度にたくさんできやすいことから

多くの人に好んで育てられているものでもあります。

今回は初心者でも簡単にできる栽培方法をご紹介していきます。

 

 

里芋の特徴と注意点

 

 

サトイモの原産はインドや中国南部から、東南アジアやインドネシアと言われています。主に熱帯地に自生しており、高温多湿を好む野菜です。日本へは縄文時代に中国から渡ってきたと言われていて、俳句の芋といえばサトイモだったほど、古くから愛されてきた野菜です。

 

サトイモの主成分はデンプンとたんぱく質でできており、加熱すると消化吸収が良くなります。イモ類の中でもサトイモはカリウムを最も多く含んでいて、むくみの解消や高血圧の予防に効果があると言われています。また、サトイモに含まれるビタミンCは熱に強く、加熱してもほとんど失われないことが特徴です。この他にもカルシウムや食物繊維などを多く含み、栄養価が高い野菜として注目されています。

 

サトイモは食べる部位によって種類が分けられています。

食卓でよく見かけるのが子芋用で、タケノコのような形をしたものが親芋用、茎まで食べられる親子兼用があります。

ここでは子芋用のサトイモの栽培方法をご紹介していきます。

 

 

栽培における特徴としては

1.病害虫に強く、手間がかからない

2.1株からたくさんの子芋が収穫できる

 

一方注意点としては

1.乾燥が大の苦手。毎日の水やりを欠かさないこと

2.サトイモは連作ができません。最低でも3~4年は間隔を空けること

 

水やりさえ怠らなければ育てることは簡単なので、

これからご紹介するポイントをしっかり押さえて栽培していきましょう。

 

 

 

里芋栽培のポイント

 

 

サトイモ栽培におけるポイントは以下です。

 

1.土壌は中性~中酸性が目安(ph6.0~6.5)

※pHの調べ方は酸度計や試験紙を使用する方法や、生えている草花を調べる方法などがあります。

 

2.生育の適正気温は25℃~30℃。発芽の気温は12℃~25℃。寒さに弱いので充分に暖かくなってから植え付けるようにすること。

 

3.乾燥に弱いので、適度な水やりと乾燥対策が必要

 

 

大きな里芋が育つようになる土作り

 

 

土作りは種芋を植え付ける2週間前までに済ませておきます。

苦土石灰を1㎡あたり70g、堆肥が1㎡あたり3kg、化成肥料を100g施してよく耕します。

サトイモは水を好むので保湿性の高い粘土質の土作りをすることが理想です。

その後、畝幅80cm~100cm、高さ20cm~30cmの畝を作っていきます。

 

栽培期間が長く、葉は大きくなるので他の野菜の邪魔にならないよう考慮します。

サトイモは地中深くまで根が伸びていくので、深めに耕すようにしましょう。

 

 

種芋選びのポイント

 

 

立派なサトイモを収穫するためには、種芋選びが重要になります。

小さい種芋だと発育が悪いので、大きく丸々とした種芋を選択しましょう。

大きさがバラバラだと発育が悪くなる可能性があるので種芋の大きさは出来る限り均一にします。品種としては子芋用の場合『土垂(どだれ)』や『石川早生(いしかわわせ)』がオススメです。

 

芽が欠けているものや傷があるもの、皮が浮いているものや切り口に赤い斑点があるものは避け、大きくて形のよいものを選ぶようにしましょう。

 

また、春の植え付けの時期になると園芸店やホームセンターなどで苗が販売されるようになります。初心者の方や育てる株数が少ない方は苗から育てると確実です。

 

 

種芋の植え付けは大きい順から!

図解画像

 

種芋は90cmの畝幅なら2列植え付けられます。

葉が大きくなるため株間は40cm~50cmと広めに空けます。

植え付ける際は種芋の芽を上にして6cm~8cmの深さに植えていきます。

種芋の大きさが異なる場合は、大きな種芋から順に植えていきます。

こうすることで大きな種芋が小さな種芋の発育を邪魔しなくなります。

植え付けたあとはたっぷりと水をあげましょう。

 

サトイモは高温多湿を好む野菜です。

乾燥を嫌うので、芽が出るまでは土が乾かないよう水をたっぷりとあげていきます。

露地栽培の場合は1日1回以上、土の中まで浸透するほど多く水を与えます。

藁や枯れ草を敷くと乾燥を防ぐことが出来ます。

 

 

里芋栽培は土寄せが重要!

 

サトイモを大きく育てるためには、適度な土寄せが重要です。

土寄せをしないと子芋が地表に露出してしまい、味も形も著しく悪くなってしまいます。

草丈が30cmほどになった頃に1回目の土寄せを行います。土寄せの高さは5cmほどで、一緒に化成肥料を1㎡あたり20gほど施していきます。

1回目の土寄せから2週間ほど経った頃に2回目の土寄せをします。土寄せの高さは10cm、このときも化成肥料を1㎡あたり20gほど施します。

 

夏場になるとイモムシが多く発生します。葉を食い尽くされてしまうと芋の成長が妨げられてしまうので対策が必要です。他の野菜で害虫被害がある場合や、栽培地周辺に雑草が多いと発生しやすくなるので、他の野菜の害虫対策や雑草の防除を徹底しましょう。

 

 

 

よく晴れた日、寒くなる前に収穫を!

 

 

早いものであれば9月中旬頃、他は10月中旬頃から収穫ができます。

サトイモは寒さに弱いので霜が降りると傷んで腐敗していきます。

収穫は霜が降りる前の晴れた日に行うようにしましょう。

 

収穫方法は、茎を根元から切り取り、株の周りをクワやスコップなどで掘り起こし、芋を傷つけないように手で取り出します。

 

親芋の周りに子芋と孫芋が寄り添うようにできていきます。これを切り離してしまうと腐敗しやすくなるので、保存をする場合は塊のまま保存すると良いです。

自宅で保存する際は塊のままで、土をつけたまま新聞紙や紙袋で包み、気温5℃以上の風通しの良い場所に保存しておきましょう。ただし、乾燥に弱いため長くは保存できません。

 

洗った芋は冷蔵庫で保存して、早めに食べるようにしましょう。

親芋も子芋も保存しておくと種芋として利用することも出来ます。

ただし、連作は出来ないので翌年以降は植える場所を変えるようにしましょう。

 

 

アクを抜いたら親芋も食べられます。

里芋料理

 

子芋用の親芋は捨ててしまうのが一般的なのですが、

アクをしっかり抜けば食べることが出来ます。

子芋よりも栄養価が高いので食べてみると良いです。

サトイモの皮は、熱湯で3分ほど茹でたあと冷水にとると手でスルリとむけます。

 

昔は芋薬と呼ばれ、湿布薬にも使われていたサトイモです。

手間もそれほどかからず簡単なので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか? 

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