栄養満点の健康野菜!ニンジン(人参)の栽培方法を紹介

日本家庭には欠かせない野菜の1つがニンジンです。

スープやカレーには必ずと言っていいほど使われている野菜で

豊富な栄養と見栄えの良さもプラスして

家庭料理で非常に重宝される野菜となっています。

ここではそんなニンジンを栽培する方法を細かくご紹介していきます。

 

 

高い栄養価は、昔は薬として活用されていたほど!

 

 

ニンジンの原産は中東アジアのアフガニスタンです。

そこから東西に伝播され、太く短い西洋種と細長い東洋種に分かれていきました。

カロテンやビタミンC、葉酸や食物繊維などを多く含んでいるため

古くは薬としても使用されていました。

 

薬草として有名なオタネニンジン(朝鮮人参や高麗人参)は

名前こそ人参と名付けられていますが

ニンジンはセリ科、オタネニンジンはウコギ科で、植物学上は別の種類です。

 

現在の日本では、栽培の容易さなどから西洋種の栽培が主流となっています。

今回ご紹介する栽培方法についても、

西洋種のニンジンに関する栽培方法をお話していくことになります。

 

 

ニンジン栽培に関するポイントは以下の3点です。

 

1.生育期間は長め。焦りは禁物!

2.発芽させるのが一苦労。序盤が特に重要です。

3.害虫と病気対策を万全にすること。

 

発芽から芽が小さいうちは少々手間がかかりますが

それ以降は適切なケアさえしておけば

苦労なく収穫まで育てることが出来ます。

 

美味しいニンジンを収穫できるよう、

しっかりポイントを押さえて育てていきましょう!

 

 

ニンジン栽培のポイント

 

 

それではここからニンジンの具体的な栽培方法に移っていきます。

まずは以下のポイントを確認しておきましょう。

 

1.土壌は中酸性~中性が目安(pH5.5~6.5が理想)

※pHの調べ方は酸度計や試験紙を使用する方法や、生えている草花を調べる方法などがあります。

 

2.発芽の適正気温は15~25℃、生育の適正気温は18~22℃です。

幼苗期は比較的高温に強いため、初心者は夏まきがオススメされています。

 

3.ニンジンの種は吸水性が弱いため土の乾燥に注意!

 

4.病気や害虫被害を受けることがあります。対策は徹底すること。

 

 

ニンジン栽培を成功させるための土作り

 図解画像

 

ニンジンは発芽までが大きな山です。気を引き締めて取り掛かるようにしましょう。

土作りは種をまく2週間前までに済ませておきます。

完熟堆肥を1㎡あたり3kg、苦土石灰を1㎡あたり2握り(100g)程度

化成肥料を1㎡あたり2握り、過リン酸石灰を1㎡あたり2握り散布し、

深さ20cm~25cmをよく耕します。

※苦土石灰・・・白い粉状の肥料で、酸性度調整と根や葉の育成促進に役立ちます。

 

完熟堆肥の塊はほぐして、耕す際も固まった土はほぐすようにします。

石なども取り除き、畝を作る際も再度耕すと良いでしょう。

未熟堆肥を使ってしまうとニンジンが二股に分かれる股根になりやすくなるため

使用しないようにしましょう。

 

畝は間引きをするため1条か2条にします。

畝幅は60cm程度で、条間(列の間隔)は20cm~30cmにします。

 

 

初心者は夏まきがオススメ!

 

 

ニンジンの品種には春まきと夏まきがあります。

初めて栽培する方は、比較的害虫の被害が少ない夏まきを選択すると良いです。

育てやすく病気に強い品種を選ぶのが良く、『向陽二号』『恋ごころ』などが定番です。

 

なお、ニンジンには連作障害があるので、

2年~3年は間隔を空けるようにしましょう。

 

 

種まき~発芽がニンジン栽培の要

 

 

ニンジンは移植が出来ないので種を直接まきます。

土が乾燥している場合は種をまく前に水やりをしておきます。

雨が降った翌日にまくのも良いでしょう。

畝面をできるだけ平らにしてから、幅2cm~3cm、深さ1cmほどの溝を掘り

2mm~3mm間隔で種をまいていきます。

 

ニンジンの種は非常に小さく、また発芽に光を必要とするため

被せる土は5mm程度に抑えます。

土で覆ったら手やクワで軽く押さえたらたっぷりと水をやり

新聞紙や藁などを掛けておきましょう。

 

発芽して本葉が出揃うまでの2週間程度は水やりを怠らず

土を乾燥させないようにすることが重要です。

本葉が出てきてからは土が乾燥した際にやる程度で構いません。

 

 

ニンジンの間引きは3回。生育が遅いので焦りは禁物

 

 

ニンジンは幼苗期の成長が遅いので、急いで間引かないように注意します。

1回目の間引きのタイミングは本葉が1枚~2枚になり葉と葉が触れ合ってきた頃で、

密着したところをすくように1cm間隔に間引きます。

2回目の間引きは本葉が3枚~4枚になった頃に良いものを残して3cm間隔に間引いていきます。

 

2回目の間引きの後、追肥を行います。

化成肥料を1㎡あたり1握り(50g)程度をまきます。

また、苗が安定するように土寄せを行いましょう。

 

本葉が5枚~6枚になった頃に3回目の間引きを行います。

握りこぶし(10cm)程度の間隔を空けて、良くない苗は取り除きます。

間引きをしたら、2回目と同様に追肥と土寄せを行っていきます。

 

ニンジンのオレンジ色の部分(胚軸)が地表に出ると

光合成によって緑色に変色します。

ジャガイモに出てくる緑の芽はソラニンが含まれているため危険ですが

ニンジンの場合は光合成で発生した葉緑素(クロロフィル)なので

緑化した部分を食べてしまっても害はありませんので安心してください。

 

 

病虫害対策は万全に!

 

 

発生しやすい病気は、

葉に白い粉状のカビが発生するうどんこ病や、

葉や茎に黒い斑ができる黒葉枯病などがあります。

 

土の乾燥や、水はけの悪い土壌によって発生することが多いため

こまめな水やりと、丁寧な土作りを徹底し、

殺菌剤をあらかじめ施しておくなどの対策を行いましょう。

 

害虫はネキリムシやキアゲハの幼虫(アオムシ)、キンウワバの幼虫が発生しやすいので

よく見回りをして、見つけたらすぐに捕殺するか殺虫剤を施しましょう。

特にアオムシは老齢のものだと殺虫剤でさえ効きづらくなるため、注意が必要です。

 

また、前作でネコブセンチュウが発生した畑の場合は、

専用の薬剤で消毒を行うか、マリーゴールドやハブソウなどの対抗植物を植えましょう。

 

 

種まきから100日程度、葉が茂ってきたら収穫期です。

 

 

収穫前は株元が緑化しないように土寄せをしておき、

試し掘りをして長さ15cmであれば収穫できます。

収穫は根元を持ってまっすぐ上に引き抜きます。

 

保管をする場合は土をつけたまま1つにまとめておき

上から土をかけておき緑化を防ぐようにします。

収穫が遅すぎてしまうと、根が育ちすぎて裂けてしまうので

掘り送れないようにしましょう。

 

 

側根がきれいに並んだニンジンが美味しい証!

 

 

美味しいニンジンを見分けるコツは、

オレンジ色の部分にある側根が等間隔かどうかです。

側根の白いくぼみが均等に1列で並んでいるものは

ニンジンが美味しく順調に育った証拠になります。

 

必要なポイントを押さえれば難しいことはありません。

あらゆる料理で活躍するニンジンを

ぜひあなたも育ててみてはいかがでしょうか?人参料理画像

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