子どもにも大人にも大人気!甘酸っぱさが魅力のイチゴの栽培方法

クリスマスや誕生日では必ずといっていいほど登場するのがイチゴです。

ツヤツヤとした見た目と、爽やかな甘さで多くの方に愛されています。

実は、イチゴは果実類の中でも比較的栽培が簡単なため

家庭菜園でオススメされているものの1つです。

ぜひ今回の記事で、栽培のポイントをしっかり把握しておきましょう。

 

 

いちごの特徴と注意点

 

 

イチゴはヨーロッパからアジアにかけて繁茂していたと言われています。

元々は他のベリーのように小粒でしたが

18世紀以降の交配によって現在のまるまるとした形になったと言われています。

植物学的に分類するとバラ科に属していて

実はリンゴやナシ、サクランボなどの仲間になります。

 

イチゴには健康や美容に高い効果が期待されている成分が豊富に含まれていて、

特にビタミンCは8粒ほど食べれば1日の必要摂取量を得られるほどです。

また、虫歯に効くと言われているキシリトールや、妊娠期に必要と言われている葉酸、

食物繊維やポリフェノールの一種のアントシアニンなど、必須アミノ酸9種類の内8種類も含まれています。

 

高い美容効果も期待されているだけでなく、

一度に何個も食べやすいこともあり

最も好きな食べ物として挙げる人も多いものでもあります。

 

いちごの画像

では、ここからイチゴの詳しい栽培方法について確認していきましょう。

 

いちごを栽培する際のメリットは以下になります。

1.寒さに強く、雪の降る地でも大丈夫

2.野菜が育つ畑でも問題なく育てることができる

3.収穫時に、子株をわけて育てておくと翌年以降の苗として栽培できる

 

一方で注意点もあります。

1.栽培期間が長いため、病気や虫害に注意が必要

2.乾燥に弱いので冬季でもこまめに水やりをすること

 

3.連作障害があるため、2年以上同じ場所で育てられない

 

家庭菜園中級者以上の方なら問題なく育てることができますが

より確実に美味しいイチゴが収穫できるように

栽培方法とコツを確認していくことにしましょう。

 

 

いちご栽培のポイント

 

 

では、ここから具体的な栽培方法についてお話していきます。

主な注意点は以下の項目を挙げることが出来ます。

 

1.土壌は弱酸性が目安(pH6.0前後が理想)

※pHの調べ方は酸度計や試験紙を使用する方法や、生えている草花を調べる方法などがあります。

 

2.生育の適正気温は17℃~20℃。暑さに弱いので、10月下旬ごろに苗を植え付けることをオススメします。

 

3.日照時間が長くなると開花・結実する植物なので、よく陽のあたる場所を選ぶこと。

 

4.虫害や鳥獣被害を防止するため、ネットなどの対策が必須。

 

 

いちごを丈夫に育てるための土作り

 

苗の植え付けの2週間前までに土作りを済ませておきましょう。

イチゴの根は肥料に弱いため、イチゴ用の培養土や配合肥料を使用すると安全ですし便利です。

 

苗を植え付ける3週間前に、1㎡あたりコップ1杯(約100g)の苦土石灰を施して深く耕します。その1週間後に土の2,3割程度の元肥を入れて再び深く耕します。

その際に畝幅60cm、高さ10cmほどの畝を作っておきます。

水はけが悪い場合はそれよりも高めに作っておくと状態が良くなります。

 

 

いちご栽培は苗選びが8割

 

 

イチゴは苗選択が非常に重要で、良い苗を選べばしっかり育ってくれます。

大きな実のものや小さな実のものなど様々な品種がありますが、

家庭菜園では小粒の品種の方が育てやすいのでオススメです。

 

『宝交早生(ほうこうわせ)』は育ちがよく病気にも強いことから初心者にオススメの品種です。甘みのある『さちのか』も人気のある品種です。また、『セリーヌ』や『カレンベリー』も病気に強く、甘さと酸味のバランスがちょうど良いことから多くの家庭菜園で育てられています。

 

苗は葉が大きく、茎が頑丈で太いものを選ぶようにしましょう。

また、苗の中心部分(クラウン)が大きくてしっかりしたものを選ぶと尚良いです。

 

種から栽培しようとすると1年以上かかってしまうため、

初心者は10月からの苗栽培から始めていくようにしましょう。

 

 

苗の植え付けは深植えに注意!

 

イチゴの苗は深く植えすぎると成長が遅れてしまうため、

苗の中心部分(クラウン)が少し隠れる程度に浅く植えます。

また、株元から伸びている、つる(ランナー)を畝の内側に向けるように植えると、

収穫時に実が外側に成るようになるので収穫しやすくなります。

 

畝で育てる場合は、株間が30cm、条間30cm~40cmの2条植えとします。

また、排水性を確保と果実の汚れを防ぐため、

畝幅は60cm、高さを10cm~15cmほどのやや高めの畝を作りましょう。

 

植え付け参考

 

苗を植え付けたあとはたっぷりと水をあげましょう。

イチゴは乾燥を嫌うため、その後も用土が乾くたびにたっぷりと水をあげるようにします。上から水をかけるとなかなか土に染み込まないので注意しましょう。

 

寒さには強いですが、寒さの厳しい地域では防寒対策をすることをオススメします。

10月頃に株元に藁を敷くか、黒ビニールで覆って(マルチング)対策します。

 

 

こまめな葉摘みとランナー摘みがポイント!

 

 

3月中頃になると新葉の生育が始まっていきます。新葉の成長を促すため、枯れた葉や変色して萎れかけている葉は摘み取るようにします。その頃までに咲いた花やつぼみも一緒に摘み取るようにしましょう。

 

また、暖かくなるにつれてつる(ランナー)が伸びてくるようになりますが、これも実を大きく育てるために収穫前と収穫中に伸びるランナーはすべて取り除くようにしましょう。葉の摘み取りを怠ると『うどんこ病(葉の裏や果実が白くなる)』になる危険性が高まります。

 

イチゴは肥料が苦手なので、11月下旬ごろと3月上旬ごろに株元から15cm離れたところに化成肥料を施して軽く土と混ぜます。イチゴ用の肥料が販売されているので、初心者は専用の肥料を使用することをオススメします。

 

鳥害・虫害対策として防鳥ネットや防虫ネットを施すと良いですが

3月以降は虫がネットの中に入って受粉ができるように、ネットの裾を少し開けておくようにしましょう。

 

イチゴの花は4月頃、白い花を咲かせます。しかし、街中で栽培している場合、受粉がうまくいかない場合があります。その際はブラシや耳かきの羽毛部分などで花の中心を軽くこすって人工授粉を行っていきます。受粉がうまくいかなかった場合は奇形果(変な形の果実)が出てくるので、早めにすべて取り除くようにしましょう。

 

 

ヘタまで赤くなったら収穫!

 

 

5月中旬から6月中旬ごろまでがイチゴの収穫時期です。

実が赤く色づくようになると鳥獣がよく狙ってくるようになるので、

防鳥ネットなどでしっかりと対策するようにしましょう。

 

ヘタの部分まで赤くなったときが収穫のタイミングです。

日中の収穫は実が傷みやすいため、気温が上がらない午前中に収穫しましょう。

 

この頃になるとランナーが伸びてきて子株ができるようになります。

この子株は来年以降栽培する際の親株として利用できるので、

毎年育てていきたい方は株分けして育てておくと良いです。

 

 

あなたの農園が華やかに!

 

 

白い花と赤い実は農園を美しく見せてくれます。中級者向けではあるものの、年齢問わず好まれる果実ですから、多くの人が挑戦しているものでもあります。

良い苗を選択することと丁寧な手入れさえやっていけば、春には確実に実を結ぶことになりますから、ぜひチャレンジしてみてください。

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